EVとは何か。概要、各国の状況、課題と解決策を解説します

EVはElectric Vehicle(電気自動車)の略称であり、電気モーターで走る自動車です。ガソリンエンジンを搭載していないため排気ガスや騒音が少なく、環境にやさしい交通手段として注目されています。また、ガソリン車に比べて燃費が良く、ランニングコストを抑えられるなどの特徴があります。

世界的にEVの普及が進んでおり、欧州諸国を中心に、車両のCO2排出削減のためにEVへのシフトが進められています。中国もEVの普及を進め、2025年には新車販売の半数以上がEVになることを目標に掲げています。アメリカでも、政府がEVの普及促進策を打ち出すなど、注目を集めています。

日本では、2021年に「2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにする」という目標を掲げました。この目標を達成するために、EVの普及が重要とされています。政府はEVの普及を促進するために、補助金制度や税制優遇措置などを実施しています。また、EVの充電インフラも整備されてきました。こうした後押しがあり、販売台数が増加しています。2022年には10万台を超えました。これは、前年比で約2倍の増加です。

今、EVがガソリン車に変わって主流になろうとしています。その大きな要因は「環境への配慮」です。上述の通りEVは、ガソリン車に比べて二酸化炭素などの排気ガスを出さないため、環境に優しい車です。地球温暖化対策の一環として、EVの普及が推進されています。このほか、EVのメリットとして以下のことが挙げられます。

■燃費の良さ
EVは、ガソリン車に比べて燃費が非常に良いです。これは、電気モーターの効率がガソリンエンジンよりも高いためです。

■メンテナンスの安さ
EVは、ガソリン車に比べてメンテナンスの費用が安く済みます。これは、EVにエンジンやオイルなどの部品がないためです。

■加速の良さ
EVは、ガソリン車に比べて加速が非常に良いです。これは、電気モーターのトルクがガソリンエンジンよりも大きいためです。

BEVとは

BEVとはBattery Electric Vehicle(バッテリー式電気自動車)の略称であり、バッテリー式電気自動車の略で、内燃機関を持たず、車載の二次電池パックに充電された電気エネルギーのみで走行する自動車です。従来のガソリンエンジン車に比べ、排出ガスや騒音が少なく、エコフレンドリーな交通手段と言えます

走行には、バッテリーに電力を蓄えておくことが欠かせず、充電が必要となります。充電は従来のガソリンスタンドのような充電スポットを利用するほか、専用の充電器を使用することで、家庭用コンセントから充電することもできます。一度の充電での走行距離は、モデルによって異なりますが、400km以上の走行が可能なものもあります。

BEVには特に欧州諸国の自動車メーカーが積極的に参入しています。例えば、ドイツのフォルクスワーゲン社は、2025年までにBEVを含む電気自動車の販売比率を50%以上にする計画を掲げています。また、アメリカのテスラ社も、BEVの先駆け的存在として、高性能・長距離走行可能なモデルを投入しています。一方、日本の自動車メーカーはHV(Hybrid Vehicle=ハイブリッド車)の開発を得意としていますが、BEVの開発・製造を進めるケースも目立つようになっています。

BEVは、ガソリン車に比べて排気ガスを排出せず、燃費が良く、ランニングコストが安いなどのメリットがあります。しかし、充電時間が必要で、航続距離が短く、価格が高いというデメリットもあります。今後、充電インフラの整備やバッテリー技術の向上により、BEVのメリットがより一層高まっていくと考えられます。

BEVとHVの比較

日本のハイブリッド車は、世界トップクラスの技術力と品質で知られています。その理由は、以下の通りです。

■長年にわたってハイブリッド車の開発と製造に取り組んでおり、ノウハウが蓄積されている。

■ハイブリッド車に使用する部品を、自社で開発・製造している。これにより、部品の品質やコストをコントロールしやすくなっている。

海外のハイブリッド車と比較すると、以下のような違いが挙げられるでしょう。

◆燃費が優れている

◆安価

◆品質が高い

◆選択肢が豊富

なお、BEVとハイブリッド車の違いをまとめると、以下のようになります。

BEVHV
動力源電気モーターエンジンとモーターの併用
排気ガス排出しない排出する
燃費    良い悪い
価格  高い   安い
充電時間    長い   短い
航続距離   短い長い
メンテナンス費用  安い    高い
上記はあくまで一般的な比較です。車種や固体の性能により異なります。

BEVの今後

BEVには、現在のところ、以下のような課題や問題点が考えられます。

◆充電時間が必要

◆航続距離が短い

◆価格が高い

◆充電インフラが整備されていない

充電時間は、ガソリン車の給油時間に比べて長く、長距離の移動には不便です。航続距離もガソリン車に比べて短く、充電インフラが整備されていない地域では、走行距離に制限があります。価格もガソリン車に比べて高く、一般的な家庭では購入が難しく、普及の妨げになっています。現状、考えられ得る具体的な解決策を列挙します。

◆充電インフラの整備
BEVの普及に伴い、充電スポットの整備が必要です。政府や企業が積極的に充電スポットの整備を進めることで、充電スポットの不足や充電時間の長さを解消することができます。

◆電池技術の改善
バッテリーの劣化による寿命や、バッテリーの価格の高さを解消するために、新しいバッテリー技術の開発やリサイクル技術の改善が必要です。これにより、より安価で耐久性に優れたバッテリーを実現することができます。

◆車両価格の低下
バッテリー技術の改善により、バッテリーの価格が下がることで、車両価格の低下につながります。また、政府の補助金や税制優遇措置によって、消費者にとってBEVの購入がしやすくなるようにすることも重要です。

◆電力供給の改善
再生可能エネルギーの導入を促進することで、環境に配慮した交通手段としての価値を高めることができます。また、スマートグリッド技術を利用して、電力の需要と供給を効率的に調整することも重要です。

◆車両の軽量化
バッテリーの重量が増加することで、車両重量が増加する問題に対しては、車両の軽量化を進めることが必要です。軽量化技術の改善により、車両の操縦性や安全性を向上させることができます。

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